ガストン・ネサン(Gaston Naessens、1924年3月16日 - 2018年2月16日[1])は、フランスの生物学者。フランス北部ノール県ルーベ生まれ。カナダ・ケベック在住。銀行家の末っ子で経済的に恵まれた家庭だった。銀行家の父はネサンが11歳の時に他界。幼少時代から発明の才能を発揮し、5歳で時計のぜんまいを利用した自動車に似た乗り物を作り、その数年後には手作りのオートバイ、さらには小型の飛行機まで作ったとされている。分解能に優れた顕微鏡を開発したいと思い、本格的に開発に着手したのは21歳の頃で、その開発に側面から手を貸してくれたのはドイツの有名な光学機械メーカーである「ライツ社」で腕を鳴らしたことのある熟練工だった。マルサン・バロウル校を卒業後、フランスのリール大学で物理、化学、生物学を学んだ後、フランス国民科学協会で医学の集中的な教育を受けた。フランスがナチス占領下に置かれていた時代で、戦後の混乱の中で手続きを怠り、卒業証書と医師免許を得ることができなかった。ネサンには医師の資格はなかったものの、医学に関する知識や見識、また医師としての実質的な力は十分にあったとされる。しかしネサンは、医師としてよりも生物学者として生きることに魅力を感じ、ひたすら研究に没頭した。, ソマチッドとはネサンが植物の樹液の中から細胞よりもはるかに小さな生殖する有機体を発見。それをソマチッドと名付け、そこから始まって全ての生命体、さらに石や土の中にもソマチッドの存在を確認している。そしてヒトの血液中にも極微小な生命体が存在することを確認した。ソマチッドは自ずからが置かれた環境に応じて全部で16の異なる形態を持つ。健康な人の血液にはソマチッド、胞子、二重胞子の3形態が見られるだけだが、環境が劣化すると突然かたちを変えてマイコバクテリウム形態→二重バクテリア形態→棒状形態→二重胞子を持つバクテリア形態→粒状の二重胞子を持つバクテリア形態→球状の細菌形態→破裂→酵母形態→子嚢胞子形態→子嚢形態→菌糸体形態→繊維状の葉状体へと変化する。人体内のソマチッドは、赤血球を介してゼラチン状の物質が飛び出し、固まってソマチッドに変わっていき次々と生まれる。ネサンは「ソマチッドはエネルギーの具現」であるという結論に達した。しかしソマチッドは生物学・医学的に存在を認められておらず、科学的研究の対象ではないとされている。, ネサンのソマチッド理論は、「免疫システムが正常化すればソマチッドサイクルも正常化する」としている。ソマチッドは赤血球を介して出現し、それが体内に広がっていき、様々な生命の営みに深く関与していくと話している。人体内の環境が悪くなると体外に逃げ出すということはなく、人体内の環境が悪くなって免疫システムが損傷した場合には、突如バクテリア形態に16の形態に変貌していくとしている。マイナスイオン水や尿療法でソマチッドが活性化することとはソマチッド理論とは無関係で異なる事実であることも述べている。, ソマチッドを発見してその形態を研究したネサンは、まずガンの特効薬「GN-24」を作り出し、さらにパワフルな効果を持つ血清「アナブラスト」を開発した。そしてついに「714-X」を開発。714Xは、その分子の科学構成がカナダの特許庁に正式に認められ、医療機関専用の輸出用製剤として正式に許可された。714Xを使用するのは主に医師であり、あるいは患者自身が自らの責任で自己注射し何百人ものがん患者の命を救っていた。ネサンは決して違法なことをしたわけではないが、病院での治療を拒み自らの意思で714Xを選んだ末期がん患者であったラングレ夫人が亡くなった。医師会は彼女の夫を煽動して供述書を書かせ、それに署名させてネサンを告訴させた経緯がある。1984年12月、ネサンの自宅と研究室に捜査が入るものの、供述書を裏付ける資料を見つけ出すことはできず有罪にできるものは一つも発見できなかった。しかし翌年85年にネサンはいくつかの訴因で起訴される。もしも裁判で有罪となれば終身刑の運命だったが、1989年に始まった裁判で「ガストン・ネサンを守る会」が結成され、ネサンに命を救われたがん患者が世界中から集まりデモや記者会見を展開。ファーブル医師やケベックの名士ゴダンの証言、さらには重症のホジキン病で余命2年と宣告されていたアメリカの実業家ゲーリー・ダイヤモンドが714X治療で見事に完治したことを医師による「患者病状報告書」である公式文書を法廷に提出した。さらにはオーストラリアの専門医が、あらゆる検査を何度も繰り返した果てに「完治」を認めた分厚い報告書を証言席に積み加えた。その他にもフランス駐在大使やケベック州裁判官などが証人として証言台に立ち、ネサンの無罪を強く主張した。1990年12月2日、ネサンは全ての訴因で「無罪」とされた。, ソマトスコープ(英: Somatoscope)は、ネサンが独自に発明したと主張する光学顕微鏡。倍率は最大3万倍、分解能0.015μmの超光学顕微鏡[注釈 1]で、通常科学の認識を超えた異例の性能である。, 次に彼は癌や他の難病患者の血液から発見したソマチッドが健康な人から採取したもの異なった形態をもつことを発見し、それを健康な人の物と同じ状態に戻す薬剤の開発を始めた。, その方法は動物実験や臨床試験ではなく、ソマチッドを観察しながらその形態が回復する薬草を見つけ出すというものであった。, また、ネサンはこの仮説に基づいた治療によって、多数の癌患者を治癒せしめたと主張した。, ただし、ネサンは医師免許を持たないため、法的に医療行為をできない。そのため、カナダの厚生省から告訴されたが、その裁判で完全な勝利を得て無罪となった[要出典]。, ソマチッドサイクルは、ソマチッドが胞子、バクテリア、細菌状など16段階のパターン変容を1サイクルとして繰り返すことから、ネサンが命名したもの[要出典]。, ネサンによる癌の原因およびメカニズムについての理論は、現在の科学的意見と明らかに一致していない[3]。, 日本における「ソマチット」研究の中心は日本ソマチット学会であるが、「ソマチッド」の研究とは異なるものであり、ガストン・ネサンの理論とは全く異なることはネサン本人も語っている。ソマチッドは、しばしば千島学説と関連付けられる。また、ある貝の化石中に古代ソマチットを発見したとして、これが骨粗鬆症の治癒に有効であると主張する者もいる[4]。, 観察の末、彼はクスノキの樹液に注目し、それを製剤化。免疫強化剤「714-X」と命名した。「714-X」の名前は、ガストン・ネサンのイニシャル(GとN:アルファベットの第7と第14の文字)、および彼の出生年である1924年の24からアルファベットの第24の文字「X」をとって命名された。, 「714-X」は、リンパ組織(鼠径リンパ節)に注射で投与する方法、もしくは吸入器(ネブライザー)を使って肺から吸収させる方法で用いられ、如何なる種類の癌に対しても投与開始後3週間で、完治率75%の治癒率を示したとされた。, 「714-X」は、窒素、アンモニウム塩、塩化ナトリウム、エタノールなどと結合したカンファー(樟脳)から成る製剤であると宣伝されたが、アメリカ食品医薬品局(FDA)の分析によれば、94%の水と0.01%未満の樟脳および他の塩類から構成されていることが判明した。, 人に対する安全性及び治癒効果についての論文は一例も報告がなく、またごく小さな規模で実施された動物実験でも有益な治癒効果は見られず、米国癌学会 (The American Cancer Society) は、「714-Xがガンあるいは他のいかなる病気に対しても治癒的効果を持つという科学的な証拠は一切ない。」との声明を出した。, この「714-X」が薬品として正式に認可されていない時期、ガストンは薬事法違反で摘発された。カナダに移住した後は、「714-X」投与によって末期癌患者が死亡したという嫌疑での訴訟が起こり、最も重ければ殺人罪で終身刑もあり得たが、X-714使用者たちによって結成された「ガストン・ネサンを守る会」の活動もあり、無罪となった。その後カナダにおいて714-Xは末期の癌患者への使用が認可された(この認可を受けたものには、「通常療法に見放された末期の癌患者に限って、使用を許可する」として、カウンセリングや食事療法など患者の心理的な安心を図るための幅広い治療法が含まれる)。, 稲田芳弘『ソマチッドと714Xの真実 - ガストン・ネサーンを訪ねて』Eco・クリエイティブ、2009年9月。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background-image:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png");background-image:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg");background-repeat:no-repeat;background-size:9px;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background-image:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png");background-image:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg");background-repeat:no-repeat;background-size:9px;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background-image:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png");background-image:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg");background-repeat:no-repeat;background-size:9px;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background-image:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png");background-image:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg");background-repeat:no-repeat;background-size:12px;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-904155-05-9。, 光学顕微鏡の拡大倍率は1000倍-1500倍程度が限界である。これは光の波長の大きさにより光学顕微鏡の分解能の限界が0.2μm程度である.